花は野にあるように
「俺のばあさんなんだから。」


ちょっと照れ臭そうに、言ったリョクの言葉に、僕は目を丸くしてリョクを見つめた。


「オフクロの母親なんだ。
オフクロも、ここの卒業生だしな。」


へ………え。


そうなんだ。


「身内だからな。
余計にこーゆー事に柔軟に対処出来ないんだろうな。
他人なら、もっと冷静に状況見て、とうの昔に許可してるさ。
中身がどうあれ外から見りゃ、立派に男子生徒に見えるんだし。」


俺みたいに格好いいヤツ、なかなか居ないしな。


って。


自分でそんな事を照れもせずにリョクは言った。
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