花は野にあるように
「この学校に居るために、制服を着なきゃならないっていうんなら、どんな制服だろうと着るよ。
それでも、できれば……って考えて、ちょっとじたばたしたけど。
でもミキを泣かすぐらいなら、スカートでも何でも着てやるよ。」


リョクの言葉が降りつもるほどに、僕の心はじわり、じわりと暖かくなっていって、それと共に僕の目から流れだした涙がリョクの肩を濡らした。


「ミキ……泣いてるのか?」


気付いたリョクが、腕を緩めて僕の顔を覗き込む。


僕は泣き顔を見られたくなくて、リョクの胸に顔を埋めた。
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