花は野にあるように
「や……見ないで……。」


泣き顔見られるの、恥ずかしいよ。


けどリョクは僕の肩に手を掛けてそっと引き起こすと、僕の顔に唇を寄せて。




僕の涙を舐めとった。






熱いリョクの舌が、ざらりとした感覚を残して顔の上を通り過ぎる。


身体を強ばらせて、それを受けた僕の目元にリョクは小さなキスまで落とした。


「あ………。」


いつか見た、夢の続きのような気がして僕は。


「夢……じゃ、ないよね?」


目の前にある僕の好きな顔に向かって尋ねた。
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