花は野にあるように
「夢じゃねぇよ。
その証拠に………。」


優しく囁くと、リョクはまた唇を寄せてきて。


薄く開いていた僕の唇に重ねた。


「んっ………!」


するりと忍び込むリョクの舌が僕の中を優しく蹂躙する。


「ふっ………ぅ……んっ!」


零れてしまう僕の声は、自分でも甘く感じるぐらいにとろけていて。


やだ。


やっぱり、あの夢の続きのような気持ちになりそうだよ。


そんな事を僕が思ったのに気付いたのか、リョクはキスを止めて僕を至近距離から覗き込んだ。
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