花は野にあるように
笑って言ってるけど、追い詰められてるような気分になるのはどうしてなんだろう?


「自分から言いたくなるようにしようか?」


えと、優しい声と笑顔が、怖いんだけど……。


ふるふると、小さく首を振りながら僕は必死にリョクの腕の中から逃れようともがいた。


やだっ!


あの夢の事は絶対リョクには言いたくないよっ!


すっごく恥ずかしいからっ!


けど、リョクは僕の抵抗なんて簡単に封じ込めて、あっさりと僕の両手を後ろ手に捕まえた。
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