花は野にあるように
「やだっ!
そんな事言わないでっ!
キ、キスぐらいするからっ!」


必死になって、僕は真剣に言ったのに。


「本当だな?」


そう言ったリョクの声が妙に嬉しそうなのに気付いた僕が顔を上げると、にんまりと笑ったリョクがそこに居た。


「ずっ、ずるいっ!
そんなだまし方なんてっ!」


リョクの単純な演技にだまされた僕が、悪いんだけど。


僕はリョクの胸をポカポカと叩きながらわめいた。


「リョクのばかーっ!」
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