花は野にあるように
「ミキ……………。」


自分の名前を囁かれて、僕の身体は勝手に熱くなってしまう。


だめ………だよ。


リョクのせいで、なんだか僕が僕じゃないみたいだよ。


「ミキ?」


どうした?って尋ねるみたいに名前を呼ばれて、僕の鼓動は、またトクトクと早くなる。


多分、真っ赤になってる顔を見られたくなくて。


僕の顎に手を掛けて、そっと顔を上げさせようとしているリョクに、いやいやと頭を振った。


「やだ………ぁ。」


こんな風に真っ赤になってしまって、きっと変な顔になってる僕の事見られたくなんてないよ。
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