花は野にあるように
「あ、やっぱり恋人宛のラブレターを運ぶ役なんてやりたくない?」


悪びれる事無く、小林さんはそう言った。


こ、こ、こここ、恋人っ!?


って、ううん、そこじゃなくって!


「リョク宛なんだったら、直接リョクに渡したほうがいいってば。」


ぶんぶんと首を振って恋人発言を否定しながら僕は言った。


「そーゆーの、他人経由で渡しちゃダメだってば!」


恥ずかしくったって、自分で渡さなきゃ意味ないし。


って僕が言ったのに。


「あ、いーの、いーの。」
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