花は野にあるように
「そんな事、言えないよ。
こんな僕の事、ハブにしないで仲間に置いてくれているだけで感謝なんだから。」


「ハブ………?」


何故だか、その単語に引っ掛かったリョクが、手をクネクネとさせて蛇の名前かと尋ねてくる。


「あ………。
ハブっていうのはね、仲間外れって意味だよ。
ごめんね。
解らなかった?」


そう謝る僕に、リョクは少し俯いて鼻の頭を掻いた。


「いや……。
なんか、日本語辞典にない日本語は理解できなくて、な。
なにせ、ドイツで学校行くまでは、日本でほとんど学校に通ってなかったからな。
同年代の日本のヤツとゆっくり交流するのなんて、初めてに近いんだ。」
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