花は野にあるように
「リョクッ!」


名前を呼びながら駆け寄った僕の事を、リョクらしくないボンヤリとした動きで振りかえった。


「ミキ………?」


尋ねるように僕の名前を呼ぶ声も、なんだか弱々しい。


「リョクッ!どうしたのっ?」


心配で、座り込んでいるリョクの隣へひざを付いて顔を覗き込む。


「さぼってんの、見つかっちまったか。」


小さく笑って言ったリョクの口元からは強烈な……。


「やだっ!お酒クサイよっ!」


僕は信じられない思いでリョクを見た。
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