花は野にあるように
「き、急に居なくなったと思ったら、こんなトコで一体何やってるのっ!」


不安で捜し回った分だけ、なんだか腹が立ってしまって僕は必要以上に大きな声でリョクに言った。


「んんー。校則違反?」


手にした中身入りのガラスのカップを振ってみせて笑うリョクは、ちっとも悪びれている風もなくて。


「校則違反って………。」


なんだか脱力させられてしまった僕は、リョクの言葉をオウムみたいに繰り返すと、ぺたん、と座り込んでしまった。
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