花は野にあるように
「んな、真っ青になって心配してくれなくても、絶対にばれないから大丈夫だって。」


僕の表情に気付いたリョクはくすっと笑って、僕の頭を撫でてくれた。


「上着脱いでネクタイ代えりゃ、学生だなんてわかりっこねぇよ。」


そんな風に言うリョクをよく見ると、確かにうちの学校指定の細いタイじゃなくって、サラリーマンみたいなネクタイをしている。


そしてリョクの言う通り、それだけでリョクは学生じゃなくって、ちゃんとしたサラリーマンみたいに見えた。
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