花は野にあるように
「そんな事ないよっ!」


僕は思わずリョクの言葉をさえぎっていた。


「リョクはそんな人じゃないよっ!
何か理由がなけりゃ、こんな事するもんかっ!」


並んで座っているリョクに向き直って、そのいつもより伏せられた表情を見上げて言う。


「リョクはいつだってリョクらしく生きてるけど、絶対に理不尽なことや、卑怯なことはしないものっ!」


言い切った僕の顔を、ゆっくりと顔をめぐらせてリョクは見た。


そして、ふうわりと笑みを浮かべると僕に言った。
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