花は野にあるように
8
「………今日はオフクロの誕生日なんだ。」
リョクがそう話し始めたのは、リョクに抱き締められて早くなってしまった僕の鼓動が、池の水面のように凪いだ頃だった。
「昨日までカンボジアだった親父が昼の便で帰ってこれるって言ってたし。
オフクロだって、今は案件も会議も抱えていないからって。
……だから今夜、3人で食事でもしようかって言ってたんだ。
3人で逢えるのは半年ぶりぐらいだし。
親父も少しの間は日本に居られるらしいから、次の休みには久しぶりに皆で山へ行こうかって…………そう言ってたんだ。」
リョクがそう話し始めたのは、リョクに抱き締められて早くなってしまった僕の鼓動が、池の水面のように凪いだ頃だった。
「昨日までカンボジアだった親父が昼の便で帰ってこれるって言ってたし。
オフクロだって、今は案件も会議も抱えていないからって。
……だから今夜、3人で食事でもしようかって言ってたんだ。
3人で逢えるのは半年ぶりぐらいだし。
親父も少しの間は日本に居られるらしいから、次の休みには久しぶりに皆で山へ行こうかって…………そう言ってたんだ。」