花は野にあるように
けど、答えは返ってこなくて。


その代わりのように、僕を抱いている腕にチカラが籠もる。




「………仕方ないってのはわかってるんだ。
けど、なんか授業に出るような気分じゃなくて……。
ひとりでオフクロの誕生日に乾杯してた。」


少しずつ話してくれるリョクの言葉を、僕はひとことも聞き漏らさないように聞いていた。


「そ………っか。
お祝いしてあげるためのお酒だったんだ。」


ただ、飲みたかったってワケじゃないんだね。


さっきは怒っちゃったりしてゴメン。
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