花は野にあるように
「あ……まぁ、自分が飲みたかったってのもあるんだけど………。」


ねぇ………せっかくの僕の今の謝罪。


………なかった事にしていいかな?


少し悲しい気分を味わいながら僕は思った。





「………オフクロが好きな酒なんだよ。」


ぼそ、と言われた言葉が先刻リョクが池に沈めちゃったカップ酒の事だって気が付いたのは、リョクの発言から少し経ってからだった。


「親父と出会ったのも、あの酒飲みながら魚肉ソーセージかじってるオフクロに、親父がひとめぼれしたからだし。」
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