花は野にあるように
だってリョクの格好ってば、今から探険に行くのっていうぐらい、本格的な服装に、おっきなリュック、ごっつい靴に、ステッキまで持っていて。


頭にヘルメットがないのがかえって不思議なぐらいだったんだ。


それに引き替え、僕の格好はって言えば、半袖のポロシャツにジーンズ。


足元はいつものスニーカー。


リュックの中身は、ほとんどお弁当で埋まってしまっているぐらいの、ちいさな荷物だった。



「え。だって、一番楽なルートにするって言ってたし。」


「俺は山に行く服ぐらい持っているって言葉を鵜呑みにしすぎたよ。」
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