花は野にあるように
なんだか軽く落ち込んでる僕の前で、リョクは背中に背負っているおっきなリュックのポケットから何かを取り出した。
何だろうって思いながら、リョクの手元を見ると、それは子供の握りこぶしぐらいありそうな、大きなベルだった。
「それ……何?」
用途がわからなくて、僕はリョクを見上げて尋ねた。
「ん?
あぁ。
これは、熊よけだよ……っつっても、この季節に熊が出るとも思えないんだけどな。
ま、野性の動物は耳慣れない音を聞いたら警戒して寄ってこないからな。
人間の方が鈍感な分、こーゆう音を立てながら山に入って、あっちに気を付けてもらうんだ。」
何だろうって思いながら、リョクの手元を見ると、それは子供の握りこぶしぐらいありそうな、大きなベルだった。
「それ……何?」
用途がわからなくて、僕はリョクを見上げて尋ねた。
「ん?
あぁ。
これは、熊よけだよ……っつっても、この季節に熊が出るとも思えないんだけどな。
ま、野性の動物は耳慣れない音を聞いたら警戒して寄ってこないからな。
人間の方が鈍感な分、こーゆう音を立てながら山に入って、あっちに気を付けてもらうんだ。」