花は野にあるように
リョクに手を取られて、赤い顔になったままの僕を連れて。


「転ぶなよ?」


そんな事を低く囁いたリョクは、頼もしい足取りで僕の手を握ったまま。


ざぶざぶと小川の中へ入っていった。


僕には浅瀬を歩かせてくれるリョクの、優しい行為に僕の心の中に暖かい光が生まれる。


ねぇ、リョク?


ちょっとぶっきらぼうに見える時もあるけど、こんな優しい君がちゃあんと居る事。


僕は知っているし、そんな君を僕に見せてくれる事をすっごく嬉しいって思ってること。


リョクは知ってる?
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