花は野にあるように
「うぉっ?」


見上げて聞く僕を見て、一瞬だけ動きを止めた後で、リョクは言葉をゆっくり探すようにしながら、口を開いた。


「無理………してるように見える………っていうか、此処に居るお前と違いすぎるように見える………っていうか。」


腕を組み、池にはねる光を睨み付けながらリョクは一生懸命に言葉を探してくれている。


そんな風に、一生懸命に誰かに接して貰ったことって………すっごく、久しぶり。



小さい頃に、父さんや母さんにおんなじ様に話してもらった事をふと思い出して、僕の心はぎゅうっと締め付けられて。


同時に嬉しくて、とっても暖かくなった。
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