花は野にあるように
言われるままに差し出した手を、リョクはしっかりと握り締めて、すごいチカラで僕の事を引っ張った。


「うわぁっ!」


びっくりして、僕がまぬけな声を上げるのと、リョクに引っ張られた僕の身体がふわりと引き上げられたのは、ほとんど同時で。


あ、と思う間もなく、リョクの隣へ並んで立っていた。


そして、その場所は。


その大きな一歩を進んだだけの僕が立っている場所は。


まるで。


まったく別の世界に来たみたいに。


がらりと違う印象を僕に見せてくれていた。
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