花は野にあるように
リョクの胸にしがみつくようにして顔を埋めている僕の頭を、大きなリョクの手が優しく撫でてくれる。


ゆったりと撫でてくれているそのリズムと、片頬をつけているリョクの心臓の音を聞いているうちに、だんだんと僕の気持ちは落ち着いてきた。


とくり、とくり、と聞こえてくるリョクの生命の音は、力強く響いてきていて、繊細なだけの僕の心に、強くなる為のチカラを与えてくれるようだった。


「ごめんね。こんな事で女々しく泣いちゃって。」
< 353 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop