花は野にあるように
「……今までずっと。
僕はもっと男らしくしろとか、女々しいとか言われ続けてたから、そんな風に言ってもらえたの初めてだよ。」


僕が泣きそうになりながらそう言うと、リョクは僕の頭を撫でながら笑った。


「ミキは、ミキのまま。
それで良いんじゃねぇの?
俺は俺だし、ミキはミキだろ?
ミキはミキらしくしてればいいんであって、別に無理して他の誰かになる必要ないし、そのままでいいじゃねえか。」


リョクの言葉は、僕の心の一番深いところまでさくりと入り込んで。


そこからじわりと暖かく、染み込んでいった。
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