花は野にあるように
「で、おんなじ学年の奴らだけじゃなくてさ。
上の学年の奴らや、先生達からも散々、変だって言われ続けてさ。
まだチビだった所為もあって、あの頃はマジでへこんでたよな。」


そう言ったリョクの表情に、ほんの少しだけ痛そうな表情が浮かんだのを僕は見てしまった。


笑いながら、何でもないことみたいに話してくれているけど、きっと本当はすっごく一杯泣いていたんじゃないのかな。


ちいさかったリョクが泣き顔のままでどこかにいるような気がして、僕は耳をすませた。
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