花は野にあるように
「こんなトコで、お行儀よくしてたって意味ないんじゃねえの?
それにさ、外で食べる飯は手で食べる方が旨いんだって。」


にいっと、何かをたくらんでいるかのような笑みを浮かべて、リョクが僕の方へ身を乗り出す。


そして、おかずをひとつ、ひょいっとつまみ上げると、あ、と思う間もなく僕の口へと差し入れた。


「むぐっ………んっ………っ!」


口の中に入れられたものと一緒に入ってきたリョクの指が、わざとらしく僕の歯列をなぞってから戻っていく。
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