花は野にあるように
「………抵抗しないんだ?」


ニイッと笑いながら顔を上げたリョクが言う。


「え?
あ、え、と。
って、えぇっ?」


も、もしかして、また、からかわれただけ、なのかな?


「そんなに無防備だと、悪い奴に襲われたら抵抗する前にいただかれちゃってるよな。」


「そ、そんな事ないよっ!
ちゃんと抵抗するよっ!」


僕の反論も、でも。


リョクの悪戯な指が僕の背中を撫で上げて、情けない声を僕が上げた時点までだった。


「ひゃあん。」
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