花は野にあるように
「うん。
すっごく冷たいけど。
でも、すっごく気持ちいい。」


そう言いながら、僕は座っていた状態からゆっくりと後ろへ倒れこむように寝転がった。


岸辺をおおう緑の若草が、優しく僕の身体を受けとめてくれて、ふわりと青い匂いが僕の鼻先をかすめて立ち上っていく。


ちらちらと降り注ぐ木漏れ日に透けて見える梢の色は緑色の宝石みたいにキラキラしていて。


「すごく綺麗だ。」


僕の奥底から湧き出るように、その言葉は意識していないのに僕の口からこぼれ落ちた。
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