花は野にあるように
「足が冷えちゃってるよ。
リョクは大丈夫?」


まだ川の中に足を入れたままのリョクの事が少し心配で僕は尋ねた。


「ん。
まだ、平気だな………っていうか、まだ体温下げられてないからなぁ。
もう少しはかかるかも、だな。
退屈なら、少し寝ていてもいいぜ?
ミキ、昨日あんまり寝てないだろ?」


そう言う風にあっさりとリョクに全てお見通しにされてしまっている僕に、反論する術なんてなくて。


僕はおとなしくそのままほんの少しだけ、眠りの国までの短い旅に出た。
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