花は野にあるように
僕のその答えに、リョクは大きな笑顔を浮かべて笑った。


「そっか。
んじゃ、ちょっとだけ頑張って登ろうな。
なあに、ここさえ登っちまえば後のほとんどのトコは登山用の道を降りるだけだからな。」


嬉しそうにそう言うリョクを見て、僕はリョクもまた、あの風景をもう少し見たかったんだって言う事に気がついた。


そりゃあ、そうだよね。


だって、本当はリョクが家族と来たかった思い出の場所なんだものね。


あのお花畑への想いだって、今日初めてみた僕なんかよりよっぽと、深いよね。
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