花は野にあるように
しっとりと濡れた積もっている落ち葉や、青い下草に足をのせて体重をかけようとすると、ズルリと滑り落ちてしまうことになる。


根っこが張り出しているところや、土が顔を出してしん、とした深い匂いを放っているところを探して、足を掛け、体重を乗せて踏ん張りながら枝や立ち木を握りしめて身体を引っ張りあげる。


そんな行為を何度繰り返しただろう。


普段あんまり運動系の事をしない僕にとって、これはかなりキツイ行動だったんだけど、頑張って僕は登った。


そんな僕に、行程の半分を少し越えたところでリョクが真後ろから声を掛けてきた。
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