花は野にあるように
「あ、あなたこそ何をしてるんですかっ!」


震える声で必死に尋ねた僕の問いに、制服のブレザーのあちこちについた枯葉や小枝を乱暴に振り落としながら、その人は言った。


「ん?
あぁ。
今日からここの生徒なんだ。
お前もか?
んじゃ宜しくな。」


その人は精悍な顔に野性的な笑みを浮かべて、にやりと笑った。





後から思い返すと。


ふたりの時を刻む時計の針が動き始めたのは。



その瞬間からだった。
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