花は野にあるように
「うわあぁっ!」


その光景を目にして、僕は思わず人目もはばからずに大きな感動の声を上げていた。


再び、その尾根の上を訪れた僕の目に飛び込んできたのは、さっきと同じ光景なのに表情をがらりと変えてしまっていた花畑の景色だった。


ほんの少し、西に傾いたお陽さまは少し赤みを帯びた光を投げ掛けてきていて。


だから、山百合のお花畑を照らしている光にも、その紅い色合いは重ねられていて。


元々、濃いオレンジ色だった花の色は、その光の中で。


まるで燃え上がっているかのように、僕の目には映った。
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