花は野にあるように
ぞくり、とした感覚が僕の身体を駆け抜ける。


「………ぁ。」


知らず、僕の口から小さく声が零れて。


それに気付いたリョクが、僕を見てふっと笑った。


「………なんてぇ表情をしてんだよ。
んな表情してると、襲っちまうぞ?」


笑いを含んだ声でリョクはそう言って。



腕を引かれたかと思うと、僕の身体はリョクの腕の中に抱き込まれていて。




唇を奪われていた。
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