花は野にあるように
「頼むから………。」


リョクらしくない弱々しい声が僕の上に降ってくる。


「頼むから、二度とあんな真似しないでくれ。
俺の目の前で、ミキが消えてしまうなんて気分、二度と味わいたくない。
崖から飛び出したお前がぶつかった所で、なんとかミキを捕まえられて一緒に落ちることが出来たから、今回は助けられたけど、次も上手くいくとは限らないんだ。
もし、間に合ってなかったらと思うだけでゾッとする。」


僕の事をそっと抱き締めながら、そう言ったリョクに僕はゆっくりと手を回して抱き返した。
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