花は野にあるように
暖かくて乾いてる、意外にやわらかいリョクの唇が、ついばむように僕の唇を刺激する。


ちゅ、と濡れた音を立てて口の端に印を残すように口付けられると、身体が甘く痺れたようになって僕は。


「………ぁ。」


と、声にならないぐらいに小さな声を上げてしまった。


そしてリョクは、開いた唇を割って更に深いキスを僕にしかけてきた。




甘くて、少し苦い、微かな土の香りがするキス。


頭の芯が痺れたように、僕は何も考えられずに、ただされるがままに、与えられる感覚に翻弄されているだけだった。
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