花は野にあるように
あそこから落っこちて、足の怪我だけですんで本当に良かった。


僕が素直に、心からそう思えるような高さの崖を、また睨み付けていたリョクが僕を振り返る。


「ミキ………。
ミキを上に運ぶためにさ、少し用意をしなきゃならないんだ。
その間、少しの間だと思うけど、ひとりになっちまうけど………大丈夫か?」


真剣な表情でリョクに尋ねられて、僕はコクリと頷いた。


「うん。
ひとりで待っている事ぐらい大丈夫だよ。
………でも、準備って………?」
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