花は野にあるように
「ん?
あぁ、ちょっと崖登って、ロープ吊り下げてくるよ。」


問い返した僕に、リョクは何でもないことのように平気な顔でそう言った。


「………え?」


今聞いた言葉が信じられなくて、僕はつい聞いてしまう。


「ん?
だから、ちょっくらここを登ってだな、上からロープでぶら下がれるように、用意するから。」


そう言うリョクの口調は、ちょっとひとっ走りコンビニ行ってくる、って言う感じで。


え、と。


そんなに気軽な感じに、崖って登るもの、なのかな?
< 431 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop