花は野にあるように
胸が切なくなってしまって、言葉を出せない僕は俯いてしまう。


「なぁ、ミキ?
そんな風に顔を伏せたりしないでさ、ガンバレーとか、俺に言ってやってくれない?」


なのに、僕の顔を覗き込むようにして言うリョクの、呑気な言い方があんまりなものだから。


僕は。


目の前にあるリョクの唇に、噛みつくようなキスをした。


それは。


ほんの一瞬だったんだけど。


リョクはにやあっと笑うと、スッゴク嬉しそうに言った。
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