花は野にあるように
「ありがと。」


感謝の気持ちなら照れずに伝えられるから、僕は笑顔を浮かべてリョクに言った。


「僕の所為でいっぱい危ないことさせちゃってごめんね。」


けどリョクは、僕の頭をくしゃりと撫でて優しい笑顔を返してくれて言った。


「ミキの所為じゃないさ。
元はと言えば、俺が言い出した事だったんだし。
ベルだって俺がちゃんと付けておけば、ミキにこんな怪我なんてさせなくてすんだのに。
謝るのは俺の方だ。
ごめんな、ミキ。」


大きな掌が撫でてくれる頭から感じる大きな安心感に、僕はふるる、と首を振るだけしか出来なかった。
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