花は野にあるように
「リ、リョクが僕の事忘れ物だなんて言うからっ!」


ぶうっ、と膨らんだフグみたいにほっぺたまで膨らまして、僕は怒って見せた。


なのに、リョクはまったく気にした様子もなくって、僕の膨らんだ頬に音を立ててキスをした。


「ごめんって。
ミキの事忘れるなんて、俺にとっては絶対アリエナイから。」


だから機嫌直せよってリョクに囁かれて、ゾクリとした感覚が背中を駆け上がると僕の意識は意思に関係なくぽわり、となってしまった。


ずるいよ。


こんなんじゃ絶対にかなわないじゃないか。
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