花は野にあるように
「ごめんな、怖い思いさせちまったな。
俺がもっとちゃんと揺れないようにしておかなかったからな。」


逆に、そんな風に僕に謝ってくれた。


悪いのは僕なのに。


リョクは全然悪くなんてないのに。


僕が落ち込まないように、そう言ってくれるリョクの気持ちが嬉しくて。


そして同時に申し訳なくて。


「ホントにゴメンナサイ。」


とだけ言って。


僕はリョクに抱きついたままで顔を伏せた。


そんな僕の頭をリョクの大きな手がくしゃりと撫でていく。


「ミキは悪くねぇってば。」
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