花は野にあるように
リョクはそんな風に言って、もう一度僕の頭をわしゃり、と撫でると視線を僕の顔から崖の上に繋がっているロープの先へと移して、表情をきりりと引き締めた。


その顔からは、もう二度とさっきみたいな事はしないぞ、っていう決意みたいなのがあふれていて。


それは、僕の為だけにそんな風に思ってくれている訳じゃないだろうけど。


単純な僕はただ嬉しくて。


引き締められたリョクの顔をそっと見上げて、『かっこいいなぁ』なんて。


改めて思ったりしていた。
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