花は野にあるように
「ミキ?」


リョクがどうかしたかって問うように僕の名前を呼んで。


そして、リョクの大きな両手が僕の顔を包み込むように捉えた。


僕の額にかかっていたクルッとした髪の毛をかきあげた太い、だけどもとっても優しい動きをするリョクの指が過ぎた後に。


リョクのカッコいい顔が、どんどん近付いてきて。


え。


えっと。


ええぇっ!


なんて風に僕が心の中で焦っている内に、逃げる事の出来ないように捕まえられている僕の顔に、リョクの息がかかるぐらいに近くなる。
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