花は野にあるように
「ね、熱なんて出てないって!」


って、自分の恥ずかしい勘違いを誤魔化すように激しく首を振りながら、言った。


けどリョクは、厳しい顔つきのままで。


「いや。
怪我してるんだ。
発熱する可能性は高い。
と、いうか。
多分、熱出る方が普通だろう。
ミキ、毛布とか………ってやっぱり、持ってきてたりはしないよな?」


確認するように言われちゃったけど、確かにそんなの持ってきてない僕は、頷いて答えた。


「うん。
………ごめん、持ってない。」


なんとなく申し訳なくって、僕はリョクを見上げながら謝った。
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