花は野にあるように
「ん?
あぁ、大したヤツじゃないけどな。
一応、入れてきた。
毛布っていうより、断熱材って感じだからな。
もし、ミキが持ってたらその方が寝やすいだろうと思って、な。」


さらりと真面目な顔で、リョクにそう返されてしまって僕は言葉を失う。


リョク………用意周到だね。


すごいや。


なぜだか解らないんだけど、妙な敗北感のような気分を味わいながら僕は。


「そ、なんだ。
リョク………えらいね。」


って、ぼんやりと相槌を打ったんだった。
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