花は野にあるように
僕を不安にさせないために笑顔をくれたリョクに、僕もニコリと笑って返す。


「うん。
大丈夫、だよ。
でも、………。」


リョクは気を付けてね、って言おうとしたのに。


「ん。
わかってる。
ミキが寂しがらないように、ちゃっちゃと引き上げてしまって戻るよ。
だから、良い子で待ってて?」


あ………ん。


そうじゃないのに。


でも言いかけてた言葉を飲み込んで、僕は頷いてリョクに笑いかけた。


「うん。
良い子で待ってるね。」


だから、リョクも気を付けて、ね。
< 477 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop