花は野にあるように
そう話すリョクの口元に、笑みが浮かぶ。


なんだか、リョクがあの女の人に抱いている好きっていう感情がとっても現れている感じがして。


少し。


ほんの少しだけ。


僕の心がチリ、と痛んだ。


「あれ、な。」


僕の心の中の葛藤なんて知らないでリョクは言葉を続ける。


「大地 水生。
大地に水が生まれるって書いてミオって読むんだけど、俺のオフクロなんだ。
仕事は早いし、頼りになるし、いい人なんだけど早とちりだったり勝手に他人の話を聞かずに突っ走るのが、な。
ちょっと難点。」
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