花は野にあるように
「痛っ………!」


リョクが顔をしかめてうなる。


「ご、ごめんっ!
強く叩きすぎちゃった?
ごめんね、リョク。」


慌てて謝る僕に、リョクはペロリと舌を出して見せた。


「じゃ、ミキの負けな?」


ず、ずるいっ!


「………本当に痛かった?」


一応聞いてみた僕に、リョクは笑いながら頷いた。


「ミキにそんなたまんない顔で心配してもらえるんなら、もっと痛いフリしていたいトコだけど、な。」


けど、残念な事に大丈夫なんだって。


リョクはそう言った。
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