花は野にあるように
「リョク………ホントに、女?」


おそるおそる、僕は聞いてみる。


「そうだって。」


「………制服、男子用だし。」


「制服なんて、サイズ合うのが親父のしかなかったからな。」


「………僕なんかより、よっぽど男らしいし。」


「お前より可愛い女子も、そう居ないだろ?」


「逞しいし、格好いいし。」


「ちょっと、育ちすぎただけだって。」


「………胸ないし。」


次から次へと言う僕に嫌気がさしたのか、リョクは僕の頭を抱え込んで、自分の胸へと引き寄せた。


「んっとに素直な癖に、変なトコで頑固なヤツだな。ちゃあんと、胸はあるっての。」
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