花は野にあるように
あ。


この近い距離から、もっと近寄りたいな。


すぐ近くに居るっていうのに、もっとリョクに近い場所に行きたくて。


僕は身体をすり寄せるようにしてリョクに身を寄せた。


「ん?
どうした?
疲れたか?」


そうっと割れやすい物を扱うように僕の肩を抱きかかえて、リョクは僕の身体をマットの上に寝かせようとする。


「ううん………そ、じゃなくって………。」


リョクの熱を感じていたいだけなんだ。


なんて。


恥ずかしくって口には出せないけど。


リョクの熱さを感じられると、すごく安心出来るんだ。
< 517 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop